ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと(2012)岩波書店

スティーヴン・ストロガッツ著『ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと』(2012)岩波書店

カオスを調べているとストロガッツの名前が必ず出てきます。連続を想定する線形の世界に対して、非連続を想定する非線形の世界。カオスは後者に対応しストロガッツの専門です。

ストロガッツは大学時代、家族に説得されて医学コースへ進もうとします。しかし、数学が好きなのに無理をしていることが重荷でした。

「今やっとハイゼンベルクの不確定性原理が本当はどいういうことなのか、言葉だけじゃなくて、数学で勉強できるところまできたんだ。(P.33)」

と量子力学の魅力を母親に話します。結局

「最高の数学教師になるためなら何でもする(P.38)」

と数学の道を行くことになります。

この逡巡の時期にも高校時代の数学の先生と数学についての文通をしています。後に生活が忙しくなると手紙の返信もほとんど書かなくなるのですが、振り返ってみるとこの文通がストロガッツに陰ながら多大な影響を与えていたと知ることになります。

宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』を思い出しました。チェロが下手なゴーシュに夜な夜な動物たちが音楽を教わりに来ます。文句を言いながらも教えているとゴーシュ自身の技術が向上するという話です。

高校の数学の先生が文通では元教え子の数学者ストロガッツの生徒となります。先生の趣味は数学の証明をすることです。文通の内容を読んでいると本当に楽しそうなのが生き生きと伝わってきます。とても素晴らしく羨ましい限りです。

久しぶりに『大学への数学』から勉強し直したくなりました。

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