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2019/11/27

鹿島茂著『進みながら強くなる――欲望道徳論 (集英社新書)』



書評について触れているところがありました。「イントロと作品の要約と評価および評価の基準をしっかりと入れなければいけません」参考にせねば。

イントロ
整列乗車で首尾良く列ぶ日本人を見て多くの外国人が驚くのはなぜか。家族人類学者エマニュエル・トッドの言うサザエさん一家のような「直系家族」が鍵になる。日本人が当たり前に守れている道徳とそれがなくなりつつあるのは、多くの日本人が「直系家族」の名残を残した核家族だからだ。

作品の要約
トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』を論拠に「正しく理解された自己利益」を説きます。整列乗車の方が早い者勝ちより自分にとって得であると考えた上で整列乗車するということです。
では正しく理解するにはどうすればよいのか。「グアム旅行4日間」のパックツアーの選び方やじゃんけん必勝法を披露しながら、デカルトの方法序説をよりどころに「考える方法」を示します。

評価
新書のお手本のような本書。具体例が豊富で読みやすく、実体験に基づき、新しい知識があります。

評価の基準
表題「進みながら強くなる」について出典が説明されていますが、それだけでなく実体験も含めてすべてに出典・論拠が見つかります。論文の書き方を説く本書そのものが論文の書き方に則っているのです。

第1章で執筆依頼について前作と同じものを依頼される仕組みを説明しています。それに逆提案をして同じものでなく一歩進んだ内容で依頼者を満足させつつ自分も成長しようと書かれています。検索すると『エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層 (ベスト新書)』と実践されていることがわかるのです。

最後はパスカルに拠って「考えろ」なのですが、視野を多く持ち考え漏れを防ぐには様々な家族形態で生活してみることが有効であるのかもしれません。