グラン・トリノ (2008) アメリカ




『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2017)アメリカは、「自分を赦せない」話でした。『グラン・トリノ』は「自分を赦す」映画です。

あらすじとネタバレ

主人公のクリントイーストウッドが妻を亡くした葬式のシーンから始まります。主人公は、「地球上で最高の女性と結婚(0:53)」し、フォードを勤め上げ、朝鮮戦争で表彰された退役軍人であり、二人の息子も幸せな家庭を築いているという完璧な人生を歩んでいます。

しかし、ずーっと渋い顔をして幸せではなさそうです。原因は、戦争で白旗を揚げた非戦闘員の子供を命令された訳でもなく殺してしまっていたからでした。自分は悔いているにも関わらず、戦争では勲章を貰って称えられています。

葬式に若い神父様がやって来ます。亡くなった妻から強く頼まれたということで、主人公へ懺悔をするように勧めます。「若造に生と死の何が分かる」と戦争を経験した老人らしく説得力のある返事をします。

再三、神父様は主人公に接触して来ます。その度に、主人公に邪険にされます。人を殺めた経験のある主人公へ対して「確かにあなたは死について私よりも詳しい。でも、生については?」と問いかけます。

順風満帆な生活をしているようでも「悔い」が残っていると「生」を知っているとは言えないということでしょう。亡くなった妻は、主人公に「懺悔」をすることで自分を「赦す」ことを勧めた訳ですが、主人公は他の道を選び神父に教え示します。

自分が殺した子供と同じような境遇の子供を救う。暴力が連鎖しないようにする。様々な条件を満たした方法で問題を解決し最期を迎えます。ちなみに、主人公は血を吐く病気にかかっていて先は長くなさそうでした。「コスパの良い死に方だな」なんて思ってしまう人は、きっとAmazon Prime Video の見過ぎです。

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