映画『エル・クラン』





ペドロ・アルモドバル監督の作品『エル・クラン(2015)アルゼンチン』を観てきました。『トーク・トゥ・ハー (2002)スペイン』とか『ボルベール〈帰郷〉(2006)スペイン』と同じ監督だったのですね。



父親の裏稼業が誘拐で、長男が手伝っているものの恋人が出来たこともあり、手を引きたがって葛藤しているといった内容です。母親や長女は裏稼業が誘拐だと知っている様子でしたが、素知らぬ風を装っています。次男次女は知らなかったものの、誘拐してきた人を自宅の地下室へ監禁する現場を目撃したり、監禁されて泣き叫ぶ声を洩れ聞いたりすることで、だんだん気付いて来ます。

物語は、父親と長男の関係性を軸に進み、最後には、まさかの結末をむかえます。見どころとしては、母親の「知っては、いるものの知らんぷり」な対応が見事なところでしょうか。結果として、家族を守ることになるのですが、その無視っぷりはあっぱれです。

4人の女性(母親・長女・次女・長男の恋人)が家族の悪事に対して「どんな態度をとっているか」「自分ならどうするだろう」などと考えると、より楽しめると思います。男性が主人公であるようで、やっぱり女性が主人公なのでしょう。男の悪事を観ている女性と映画館の観客が同じ構造になるので、女性の気持ちが体感できるかもしれません。

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