『神々のたそがれ』と『道中の点検』

「ミチ…」と思わず言ってしまったところ、受付の方が「ドウチュウノテンケンですね」と、サラリと正してくれました。タイトルも分からず観にいってしまいました。恵比寿ガーデンシネマの『Dearダニー 君へのうた』や『かけがえのない人』は、まあそのうちに。

 『神々のたそがれ』
ミハイル・バフチン著『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』を読んで、絶望の先には笑いがあるのかな、などと思いつつ、映画『道』(1954)イタリアを観て最後の笑いに救われたものですが、『神々のたそがれ』を見るとなんだかスクリーン越しにツバだかハナだかもう汚いやら不快やらで目を閉じたくなるやら耳をふさぎたくなるやら、ようするに眠くなってしまったわけです。

ただ、『神々のたそがれ』(2013)ロシアは傑作であることは確かで、主演のレオニド・ヤルモルニクの演技はもう真似ができない感じがヒシヒシと伝わってきます。

『道中の点検』
一方、『道中の点検』(1971)ソ連は眠くなかったです。そもそもアレクセイ・ゲルマン監督はアンドレイ・タルコフスキー監督つながりで知ったので、眠いのは覚悟の上だったのですが、上映時間が97分でちょうど良い長さです。

内容はソ連軍の捕虜がドイツ兵として働かされていたが、7日の休暇を利用し投降してソ連軍の息のかかったパルチザンに寝返るも、なかなか信じてもらえないという話です。
終わりのシーンで1000人くらいのドイツ軍の行進があります。途中で車の修理をしている主人公の上官がドイツ軍の将校に「命を救ってくれて感謝している」とお酒を振る舞ってもらう場面があります。
ドイツ軍に寝返ってしまったのか、まだパルチザンの作戦中なのか、どちらなのでしょうか。(私がドイツ軍と思っているだけでソ連軍かもです)

森の中の炊き出しの場面で映画『ディファイアンス』(2008)アメリカを思い出しました。ユダヤ人が森の中で食料がない中なんとか生き延びようとする物語です。『道中の点検』では特にユダヤ人的な絡みは分からなかったです。

『道中の点検』の上映は15年間禁止されていたということです。どこが上映禁止に値するのか考えながら観ると良いかもしれません。

雪の場面が多くモノクロが引き立ちます。雪を踏みしめる音がたまに合っていないような場面もあるように感じましたが、寒さが伝わってきます。冒頭のシーンで農民が土砂降りの雨の中立ち尽くしているのですが、昨日の渋谷も恐ろしいほどの豪雨でした。足が濡れたまま冬の暗い森に感情移入しつつ、13名くらいで鑑賞しておりました。