京極夏彦『死ねばいいのに』(2010)講談社
86年に生まれの知り合いが、口癖で良く「死ねばいいのに」と言っていました。カラカラと明るく言うので、本気でそう思っている訳ではないことはわかっていたのですが、どうやらお笑い芸人発の言葉であるようです。
死ねばいいのにとは - はてなキーワード
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%E0%A4%CD%A4%D0%A4%A4%A4%A4%A4%CE%A4%CB
『死ねばいいのに』京極夏彦|講談社ノベルス
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-novels/1005/special/
殺された女性のことを知り合いの男性が聞きまわるという話です。
餓鬼、修羅、地獄、畜生、人、天の六道に不倫相手の上司、隣に住む派遣社員、チンピラ、母親、刑事、弁護士を振り分け、それぞれ1話として完結して読めるようになっています。
ところどころにパラドックスが散りばめられています。巧い構成で「流石だなー」と感心する小説でした。
ちなみに『小説現代2010年6月号』のインタビューでは、「書籍というのはハード込みのソフトなわけで、そういう意味ではユーザーフレンドリーな規格なんですね。」とありますが、電子書籍の話には一切触れていません。