少額の寄付をエレガントに徴収するKIVA

ブロガーズ・ネットワーク 翼で「ぷちカンパ」がはじまる

「ぷちカンパ」とはWebMoney(ウェブマネー)を送金することができるサービスです。WebMoneyはコンビニ・ネット銀行・クレジットカードで購入するか、広告を閲覧することで稼ぐことができます。オンラインゲームの世界では有名なようです。未成年がコンビニで買えます。気になる手数料は5%のようです。

KIVAを使ってみた続報



寄付といえば、CNET読者ブログ時代にKIVAの記事を書いたままになっておりました。


KIVA(キーバ)
http://www.kiva.org/


起業家に一口25ドルで融資できるマイクロファイナンスです。




ローサさんから50ドル戻る
http://kohei.kaneta.net/2008/06/50.html


上記の記事で、「貸し付けた資金が戻ってくるか来ないか」という話題がありますが、まだ引き出すことは試していません。当時ローサさんに25ドル融資して、KIVAに2.5ドル寄付しました。今では4人に融資し25ドルの元金が100ドル分の融資につながったようです。http://www.kiva.org/lender/kohei




KIVAの革新的な寄付回収



KIVAには関心しきりなのですが、本質的に革新的なのは単に寄付だけを募らない点です。寄付だけもできるのですが、基本的には一口25ドルの融資をする際に2.5ドル~の寄付を一緒にお願いされます。もちろん、寄付なので寄付しないという選択もできます。




営利ではありながら、国際貢献のイメージでPaypalから国際送金手数料の割引をうけたり、他にも大口の寄付を得ていることと思います。個人的には、運営費として2.5ドルの寄付を効率よく回収するシステムが一番共感を受けたのだと感じます。

Tシャツ販売にたとえると





身近な例を単純化して考えてみます。Tシャツ販売と寄付を募る場合です。3,000円のTシャツ&寄付の決済手数料が200円だったとします。


3,000円の内訳

  • 2,600円:Tシャツ代

  • 400円:寄付



一度で徴収すれば3,200円で済みます。別々に徴収するとTシャツが2,800円。寄付が600円。


買い手からみると同時に支払えば、Tシャツ(2,800円)に400円足すことで400円分の寄付ができます。100%寄付される印象です。一方、あとから寄付だけしようとすると600円新たに負担することになります。600円の負担で400円の寄付なので損した印象です。決済手数料を考えると明らかに、同時に寄付を回収するのが合理的です。「決済手数料のタダ乗りモデル」と言えなくもないです。




KIVAモデルの応用例

寄付を他の料金に応用してみましょう。家の中でしか着てはいけないTシャツを2,600円で売ります。外で着る場合には別途契約が必要になります。


権利管理団体は、「契約をしていないのに、そのTシャツを着て外を歩いている人」を探します。あとから外で着る権利を徴収することになります。
本来なら「外で着る権利」は400円ですが、徴収コストがかかるので請求額は4,000円、40,000円となっても不思議はありません。徴収コストが高いとは言っても、あくまで「外で着る権利」は400円です。Tシャツメーカーには400円分が支払われます。




言葉足らずですが「私的録音録画補償金制度」や「電話のユニバーサルサービス制度」はうまいことやったな、などと思います。

寄付事業2.0となるか? kiva.orgの挑戦

寄付事業2.0となるか? kiva.orgの挑戦
http://japan.cnet.com/blog/knn/2008/01/21/entry_25004357/
神田敏晶さんの記事です。実は、上記記事にはコメントがありました。内容は「KIVAは寄付ではなく融資であり金利もとても高い」という指摘でした。確かに、そうなのです。つまり「寄付事業2.0」ではなく「融資事業2.0」というわけです。
しかし、今になって思うとKIVAは確かに「寄付事業2.0」だったのだと感じます。融資を可視化する点よりも少額の寄付をエレガントに徴収する点こそがKIVAなのです。神田敏晶さんのネーミングセンス・先見性には改めて驚かされました。

寄付事業2.0となるか? kiva.orgの挑戦
http://knn.typepad.com/knn/2008/01/20kivaorg.html













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