キーボードが怖かった、あの頃。

父は東京、母は横浜。駆け落ち先の東京で生まれた私ではあったが、小学生ともなると夏休みなどの長い休みには横浜の祖父母の団地に遊びに行くようになる。初孫というのもあり大歓迎の祖父母に連れられ高島屋の特別食堂にはよく行った。
いつものように特別食堂での食事のあと、祖母が会計を済ませているちょっとの間に、私は同じフロアに展示してあったパソコンに気がついた。現物のパソコンを目の前にした初めての体験だ。
記憶ではロードランナーか何かのゲームが動いていたと思う。興味津々。しかし、実際触ってみることができなかった。なぜならあまりに多いキーボードのキー数。まだ知らない英語や記号が印刷されたキートップ。もし間違ったキーを押そうものなら壊れてしまう。とても弁償できる金額ではない値札に触るのさえ躊躇してしまったのだ。キーボードが怖い。そんな感覚をいま懐かしく思い出す。

2006年の今、キーボードは消耗品として1,000円しないで買えるようになった。しかし、初めて触る人にとっては間違ったボタンを押すと壊れてしまいそうで怖いという人も多い。もちろんパソコンを使っていくうちに、そんな恐怖心はなくなっていくものの「なんでこんな並び方なの?」とか「Altってどういう意味?」など素朴な疑問はなくならない。言われてみれば私も答えられない。どうしてだろうか。



50
そんな疑問に私なりに答えてみたのが「50音配列カナ変換用キーボード」だ。キーの数が横10縦8のプログラマブルキーボードを工夫し「あいうえお」順のキーボードを作ってみた。「ABC」はキートップに印刷していない。あくまでカナ変換用に割り切った仕様である。唯一の問題は「コーヒー」の「ー」が入力できないこと。悲しいかな、これは私の技術の足りなさゆえ。意外なメリットとしてはキーを長押ししても入力は1回しかできない点だ。POSレジで使うための仕様なのかもしれない。ゆっくりキー入力をする方にとっては丁寧に1回キーを押したつもりが複数回押したと認識されると入力効率が非常に悪くなる。バリアフリーキーボードを作るとすればハードウェア側でキー入力のリピートを解除できるようにするのが良いと思う。

近い将来キーボードを使う人口が爆発的に増えるときが来るかもしれない。そのときには多種多様な配列のキーボードが販売されたり、自作パソコンを組み立てる気軽さでキーボードを作れるようになっていたらいいですね。



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