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ジェフリー ディーヴァー『ネヴァー・ゲーム』(2020)文藝春秋

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ネヴァー・ゲームとは主人公の父が教える教訓が「(~する)べからず」であることからきています。ただ一つだけ「べからず」がつかない教訓があり主人公の一番のお気に入りです。 「ソファに寝転がってテレビをながめる。オフィスに座って報告書をタイプする。ビーチを散歩する。それで死を避けることはできる」(p.351) 「死なないのと生きているのは同じではない。生きているのは、生き延びているときだけだ。そして生き延びるのは、失いたくない何かを失うリスクを冒しているときだけだ。失いかねないものが大きければ大きいほど、生きている実感を持てる」(p.351) 物語はp.380で(了)となります。主人公の父に言わせれば、読者は「死なないでいる」だけで「生きていない」ということになるでしょう。ここで悔しくなって本を閉じ、何かリスクを取って生きていくことが出来れば良いのかもしれません。ただ著者はきっと出来ないでしょうだから最後まで読んでねどんでん返し用意しておいたからねと自信満々です。 海外ドラマを観ているようで楽しい小説でした。

黒メダカとマツモ

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水作の「アクアテリア メダカ用 N190」というメダカと観葉植物を一緒に育てる水槽で、黒メダカとマツモを飼いはじめました。黒メダカとマツモは 日海センター で購入しました。 日海センターでは海水魚のカクレクマノミが繁殖していました。海水魚というと敷居が高いですが、日海センターでは45cm水槽とテトラ の「オートワンタッチフィルター AT-30」で維持できており、思わず海水魚に手を出しそうになります。 私のメダカ水槽にもオートワンタッチフィルターを導入したかったのですが、水槽の高さが14cm以上ないと設置できないため断念しました。でも水流はあった方が良いので同じくテトラの「マイクロフィルター」を選びました。 下の写真のように水槽の水をプランターへ流すようにしています。

ダニエル・M.デイヴィス著『美しき免疫の力 動的システムを解き明かす』(2018)NHK出版

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免疫細胞が未知の病原菌をどう認識するのか。タンパク質の立体構造による鍵と鍵穴の関係で認識する。そんな説明で納得してしまいますが、食物と病原菌をどう区別するのでしょう。 本書は一般向けだからといって大雑把な説明に終始せず、コツコツと免疫の仕組みを説明します。特に、初期のワクチン発見時代は整理されていて理解しやすいです。中盤では研究者の競争や医薬品産業のお金の話が混じって来ます。また、免疫そのものの複雑さに由来して内容もより複雑になります。 読み終わるころには、免疫に対して単純な解釈は出来なくなります。 新しく知ったことは、アジュバント(ワクチンを助けるもの)です。ワクチン単体でなぜか効かない時に必要になる物質です。 昆虫も持っている自然免疫と人間などの哺乳類がもっている獲得免疫。免疫というと獲得免疫のことを想像しますが、ざっくり免疫全体の5%くらいの感覚のようです。 多くの病原菌に共通で特有のたんぱく質に対して働く自然免疫が主要な役割を担っています。手にキズができても膿もせずすぐに治るのは自然免疫のおかげなのです。考えてみれば、抗体が出来るのには1週間や2週間はかかりますから、すぐに効くというものではないです。 未知の病原体に結合する抗体を作る仕組みが興味深かったです。DNAをランダムに切ったものから作った構造をマーカーとしてあらかじめ作ってあるのです。ランダムであるので個人差があります。多様性が重要なのも納得ですね。誰かは免疫によって人類に未知な病原菌に打ち勝つことができるわけです。

ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと(2012)岩波書店

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スティーヴン・ストロガッツ著『ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと』(2012)岩波書店 カオスを調べているとストロガッツの名前が必ず出てきます。連続を想定する線形の世界に対して、非連続を想定する非線形の世界。カオスは後者に対応しストロガッツの専門です。 ストロガッツは大学時代、家族に説得されて医学コースへ進もうとします。しかし、数学が好きなのに無理をしていることが重荷でした。 「今やっとハイゼンベルクの不確定性原理が本当はどいういうことなのか、言葉だけじゃなくて、数学で勉強できるところまできたんだ。(P.33)」 と量子力学の魅力を母親に話します。結局 「最高の数学教師になるためなら何でもする(P.38)」 と数学の道を行くことになります。 この逡巡の時期にも高校時代の数学の先生と数学についての文通をしています。後に生活が忙しくなると手紙の返信もほとんど書かなくなるのですが、振り返ってみるとこの文通がストロガッツに陰ながら多大な影響を与えていたと知ることになります。 宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』を思い出しました。チェロが下手なゴーシュに夜な夜な動物たちが音楽を教わりに来ます。文句を言いながらも教えているとゴーシュ自身の技術が向上するという話です。 高校の数学の先生が文通では元教え子の数学者ストロガッツの生徒となります。先生の趣味は数学の証明をすることです。文通の内容を読んでいると本当に楽しそうなのが生き生きと伝わってきます。とても素晴らしく羨ましい限りです。 久しぶりに『大学への数学』から勉強し直したくなりました。

アフリカンクリーンエナジーのソーラーふいご

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Sros - Cambodia | Kiva  を読むと燃料費として月に40ドルの支出があるそう。カンボジアの平均月収は2~3万程度のようなので、燃料費の占める割合を日本の感覚で考えると月4~5万円という感じでしょうか。この燃料費を節約するのは理にかなっています。 燃料費節約の切り札がACE Oneというソーラーパワーストーブです。 ACE One - African Clean Energy   小さなソーラーパネルでストーブの火力をすべて賄うのは無理なので「怪しい商品なのか?」と訝しく思いましたが、調べてみると「ソーラーパネル」+「バッテリー」 +「ファン」を組み合わせた商品のようです。価格はわかりませんが、Kivaでは75ドルや100ドルを13か月で返済する設定が多いです。 バッテリー内蔵のためスマホの充電やらLEDライトが使えたりと便利そうです。単純な商品ですが、利用効率は高く有望だと感じました。 東京ガスの「 ずっともソーラー×トヨタホーム 」は新築の住宅にソーラー発電システムを無料で提供し10年間の売電収入で回収する仕組みです。きっと太陽エネルギー10年債とかあるのでしょうね。Kivaの場合は13か月の短期でお手軽ですがインパクトは十分でしょう。 3/8の国際女性デーにちなみ女性への融資が特集されています。 Kiva紹介リンク

「淵野辺新刊読書会」で読みたい近刊202102

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2021年2月現在「 淵野辺新刊読書会 」で読みたい近刊です。   マーク・ミーオドヴニク 著『Liquid 液体 : この素晴らしく、不思議で、危ないもの』インターシフト (合同出版) (2021/3/18) スタニスラス・ドゥアンヌ 著 『脳はこうして学ぶ:学習の神経科学と教育の未来』森北出版 (2021/2/27) ステファニー・ストラスディー著『悪魔の細菌-超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い』中央公論新社 (2021/2/20) エミリー・レヴェック著『天体観測に魅せられた人たち』原書房 (2021/3/5)

「発酵美人」買いました

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Udemyでブラックフライデーセールも始まっています。