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時間を区切ってお金をわける

前回のお話しは「報酬の半分は先払いで、残りの半分は成功したときに」です。



日本人はよく人質になる。同じ日本人として見過ごせない問題だ。もしかすると身代金の払いが良いのかもしれない。それを学習した犯人はより日本人を狙うようになる。もし、犯人にその程度の学習能力があるとすれば戻ってきた日本人が健康だった場合、追加の身代金を払うようにすれば、将来待遇の良い人質生活を送る日本人が増えるかもしれない。待遇の良い人質生活という言葉はオクシモロンでしかないのが残念ではある。



半分本気な冗談はさておき、これまで保証金というテーマを扱ってきたが今回は保証金という言葉の定義を拡大してみたい。そこで上記の人質の例を少し無理矢理にクレジットサービスとポイントサービスに当てはめてみよう。



クレジットサービスの場合



  • 犯人:人質を預かっている。身代金は4,200万円だ。支払いには各種クレジットカードが使える。万一、人質の健康に問題があった場合はクレジットカード会社が損害を補填する。なお我々はクレジットカード会社の審査に通った誘拐団である。( この場合、身代金の約5%は保険会社へ手数料として支払われる。)




ポイントサービスの場合



  • 犯人:人質を預かっている。身代金は5,000万円だ。支払いは現金の他、以前当窃盗団に支払った際に発生したポイントも使える。今回支払った身代金についても20%のポイントがつく。なお、発生するポイントを放棄すれば人質の健康に問題があったときの補償にあてることができる。


一方、このどちらのサービスも利用せずに身代金4,000万円を支払う場合はこうなる。
犯人へ持って行くのは身代金を半分の2,000万円ずつ詰めたアタッシュケース2つ。お察しの通り、初めにアタッシュケース1つを犯人に渡し人質をかえしてもらう。その後、人質に問題がなければもう1つのアタッシュケースを渡し取引成立となる。



3パターンのうちで興味深いのは前の2つ。最後のパターンは現金を単純に半分に分けている。それに比べて前の2つの場合、例えば4,000万円を分けるにあたって1ヶ月有効な4,000万円と1ヶ月後から有効な4,000万円を作っている。1ヶ月というのはクレジットカードの場合、クレジットカード会社から身代金が引き落とされるまでの期間であり、ポイントカードの場合は次回ポイントで身代金を支払うときまでの期間である。無論1ヶ月でなくてもかまわない。



わかりにくいので詳しく見ていこう。



クレジットサービスの場合は「1ヶ月有効な4,000万円」と「手数料200万円」をクレジットサービス会社へ、「1ヶ月後から有効な4,000万円」を犯人へ支払っている。



ポイントサービスの場合は「5,000万円」を犯人へ支払うが、そのうちの1,000万円は「次回ポイントを使うときまでは犯人」へ、「ポイントを使ったあとは人質側」へと言うようにポイント使用前後でわけている。



クレジットサービスは今月使った代金は来月支払うといったように取引を後にのばすのに対し、ポイントサービスは次回使えるポイント分を今回余計に支払うというように支払いを先取りする。いずれにせよお金を分けるにあたり、時間を区切ってわけるのである。



いかがでしょうか。人質の例がわかりにくいという意見もありますし、時間を区切ってお金をわけるというのも下手な表現ですが、個人的にはクレジットサービスやポイントサービスや電子マネーを考える上での基本的な姿勢になっています。



次回は「現金でポイント充当できるポイントカードにすぎない第1世代の電子マネー」です。



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